今回の訪タイのメインイベントの一つが、internet innovation research center of thailandの最高技術顧問Piya氏とのミーティングでした。
Piya氏はタイ政府のスカラシップとして東北大学にも留学経験を持ち、帰国後、National Electronics and Computer Technology Centre (Nectec)でリサーチャーを務める中で、タイ国内のインターネットメディアのレーティングを提供するサービス「TrueHits.net」を立ち上げました。
そのTrueHits.netは、今ではNectecをスピンアウトし、Piya氏ら数名のスタッフによって独立したサービスとして運営されています。サイトをご覧いただくとお分かりいただけるかと思いますが、TrueHitという名の通り、主要なWebサイトのアクセス数が、カテゴリ別にランキング表示されています。
TrueHits.net カテゴリ別TOPサイト
TrueHits.net カテゴリ別TOPサイト
TrueHits.netが誕生する以前のタイ国内には、インターネットメディアのレーティングを統計化するサービスが無く、Nectec在籍中のPiya氏はGoogleAnalyticsにも似たアクセス解析用のASPを開発し、それを主要なインターネットメディアに導入してもらうことによってタイ初とも言えるネットレーティングサービスを誕生させました。現在ではタイ国内で大小合わせて約10,000のインターネットメディアがTrueHite.netの提供するASPを導入しています。
「政府機関であるNectecが提供しているという信頼感がASP導入メディアの獲得を可能にした」
と、Piya氏は語りますが、恐らく彼には旺盛なベンチャー精神と先見の明があるのでしょう。その証拠にTruHits.netは、現在ではASPが導入されているメディアをパブリッシャー(広告掲載メディア)としたアドネットワーク「AdDoer.com」へと発展しています。
AdDoer.com
AdDoer.com
AdDoer.comの仕組みは至ってシンプルです。広告主が用意するディスプレイは一種類のみ。これがTruHits.netのASPを導入しているパブリッシャーのページに、CPC(クリック課金)型のフローティングバナーとして掲載される仕組みです。
人気サイト「Kapook.com」。左下の「ZIPEL」がAdDoer経由のディスプレイ広告。オンマウスでエクスパンドする。この手のエクスパンドバナーがタイでは流行っている様子。 また、ここでは三菱MIRRAGEの広告(黄色のクルマ)が掲載されているが、実際、日本車の広告出稿量はかなり多い。
現段階でAdDoer.comのパブリッシャーとして登録されているメディアは約200。広告主はこの中からターゲットにマッチしたメディアを選択して広告を掲載します。
Piya氏曰く、AdDoer.comの強みは、
・たった一種類のディスプレイを用意するだけで良い
・国内のメディアの現状を知り尽くしたTruHits.netだからこそ提供できる良質な媒体選定
だとのこと。
ここのところ、百度、comScore、Yengo、mediba等々、海外からのオンラインビジネスカンパニーの進出が加速するタイの中にあって、Piya氏は徹底したドメスティック戦略を展開して差別化を図っていくと言います。
TruHits.netの今後の展開はもちろんのこと、様々な分野で海外からの投資が加速しているタイのオンラインビジネスは、今後の東南アジアのインターネットマーケットをキャッチしていく上で、注目すべきマーケットだと考えています。
蛇足ですが、AdDoer.comへの広告出稿は弊社でも取り扱っておりますので、ご興味のある方はお気軽にコチラまでお問合わせください!