新浪微博のユーザー(追記:間違えましたフォロワーです)が1万人を超えて考えたこと

ミルゲートが運用する中国版twitter「新浪微博」のアカウント「畅游日本名古屋」のフォロワーが1万人を超えました。「畅游日本名古屋」とは、「日本の名古屋を思う存分楽しむ」といった程度の和訳になるでしょうか。その名の通り、弊社の中国人従業員が、名古屋とその周辺の観光や生活情報を日々発信しています。


約1年半前の2011年5月から運用しているこのアカウントは、当初は弊社が中国からのインバウンド観光客をターゲットに運営を始めた同名のポータルサイト「畅游日本名古屋」(PCサイト)への誘導手段程度のつもりで開設したのですが、当初の目論見は見事に外れ、Webサイトへの誘導はあまり増えず、微博のアカウント自体が独立して成長していった結果、今月に入って1万人にまでフォロワーを増やすことができました。

ご存知のように中国では当局によるネット検閲が行われており、Twitter、facebook、YouTubeなどのSNSは一般的には利用できません。そこで中国独自のSNSが発展したわけですが、新浪社が運営する微博(マイクロブログ)は特に人気が高く、ユーザー数は3億人を突破していると言われています。


その新浪微博の中で「畅游日本名古屋」を運用してみて分かったのは、
この手のSNSはSNSの中で完結する傾向にある、
ということです。

もちろんポータルサイト「畅游日本名古屋」へのトラフィックが全くないわけではないのですが、ある程度サイトにアクセスせざるを得ない仕組みを作らない限り、そうそうトラフィックが期待できるものではありません。


むしろ微博上でのコミュニケーションの活発さが際立っていて、この1年半の間に名古屋への旅行を検討している一般のユーザーだけでなく、中国の旅行会社やメディア関係者などとの出会いも数多く体験しました。

スマホなどのモバイルユーザーが多いということも、PCサイトへのトラフィックが少ない理由の一つかもしれません。

そのあたりのところは、機会を改めて詳しくお伝えしたいと思います。新浪微博にはユーザーの属性解析機能などもあって、結構興味深いデータが取得できたりしますので・・・。

で、本題の“新浪微博のユーザーが1万人を超えて考えたこと”についてですが、

いくつかのポイントさえ押さえてさえおけば、
中国向けプロモーションはそんなにハードルが高くない!

と、ちょっと楽観的に考えてみたりしたのです。
 

実は新浪微博「畅游日本名古屋」には、これまで2度の危機が訪れています。

1度目は今年の2月から3月にかけて、河村市長の南京大虐殺発言直後から数週間のこと。この時は名古屋市が運用するアカウントと捉えられたことも相まって、凄まじい勢いで非難のコメントが寄せられ、半ば炎上状態。しばらく更新をストップせざるを得ない状況に追い込まれました。

そして2度目が、今回の尖閣問題が深刻化した9月半ば以降のこと。ただ、今回は河村市長の発言当時ほど、大きな影響を受けていません。我々サイドはかなり神経を尖らせて運用にあたったのですが、非難のコメントは殆どなく、むしろ「誰もが和平を望んでいる」といった良識的なコメントが多く寄せられています。

では、中国プロモーションの実施にあたって押さえておくべきポイントは何かというと、
私は

1.中国人の好みを理解すること

2.中国人の面子に対する考えを理解すること

3.中国人との間で触れてはいけない話題を理解しておくこと

4.政治の問題が起こってしまったら、ほとぼりが冷めるのを待つしか方法が無い場合が大いにあるということを予め認識しておくこと

の4点だと考えます。


1の「好みへの理解」はプロモーションの効果をあげるのに役立ちますが、2の「面子に対する理解」は効果UPとリスク回避の両側面に役立ちます。3の「触れてはいけないことへの理解」は、完全にリスク回避的な側面です。※参考:「超楽しい!」とつぶやいた蒼井そらの「微博」が大炎上―なぜ起きた?

4の「政治の問題」については・・・・・、今のところ一番重要なところかもしれません。つまり、政治の問題が起こった場合に何の対処もできなくなる可能性がある、ということをしっかり認識した上で、中国へのプロモーションを考える必要があると思うのです。

リスクを覚悟した上で、中国人のことをよく理解した人間(中国人を含む)がスタッフに加わってプロモーションを実施すれば、中国プロモーションというものは割とシンプルに考えても良いのではないかな、などと私は考えていたりします。

それがつまりは「中国は難しい」ということなのだよ!と、言われてしまいそうな気もしますが・・・。

ちなみに、Twitterで日本で一番フォローされていると言われる孫正義さんのフォロワー数は1,781,702人、新浪微博上の日本人で最もフォローされている蒼井そらさんのフォロワー数は孫さんの10倍近い13,497,086人。※いずれも2012年11月6日現在)

日本の人口は約1億3千万、中国の人口はその10倍の13億4千万人以上。

蒼井そらさんとは比べようもありませんが、東京でも北海道でもなく、それほど中国では人気があるわけでもない名古屋の情報を発信しているアカウントが、政治問題が緊迫化している中でさえ多くの中国本土の親日ユーザーに支えられ、尚も1万人のフォロワーをキープできるような、そんな巨大な市場中国。

リスクの分散化は重要ですし、ミルゲートとしてもポスト中国へのプロモーションに関しては積極的に支援をさせていただきます。

でも、この巨大市場を捨ててしまうのは、少しもったいなくは無いですか?
そもそもリスクの無い海外進出などあり得ないのですから・・・。

蛇足になりますが、11月8日から中国では最も大きな政治イベント「第18回中国共産党大会」が開催され、胡錦濤国家主席に代わって習近平国家副主席が国家主席に任命されると言われています。

習近平について書かれた本は色々ありますが、「習近平って何者?」「国家主席はどうやって選ばれるの?」という方に、「習近平の正体」(著)茅沢勤を入門編としておススメします。


中国が良いとか悪いとかではなく、国家のトップになることの重みというかなんというか、そのあたりがトップの存在が限りなく軽い日本とは大きく違うということがお分かり頂けるのではないでしょうか。

プロフィール

  • 1970年名古屋市生まれ
  • 早稲田大学法学部卒業
  • 株式会社 岩手朝日テレビ
  • ヤフー株式会社 を経て
  • 2003年 有限会社エヌ・プランニング 設立
  • 2005年 株式会社ミルゲート 設立
  • 2012年 株式会社愛知アジア総合研究所 設立