オーディション社会韓国 その2

皆様、明けましておめでとうございます。

今年も本ブログ、そしてミルゲートをよろしくお願いします。

1月も後半に差しかかったタイミングでの新年の挨拶というのも少々間抜けですが・・・。

実は私、正月に訪問した韓国の釜山で救急病棟にかつぎ込まれてしまいました。

どうやら12月頭から続いた忘年会ラッシュでの暴飲暴食がたたったようで、脱水症状を起こしてしまい、レントゲンを撮られ、点滴を打たれ、ドクターからは肝臓の数値の高さを指摘され・・・・、で、何とか無事帰国しましたが、異国の病院で治療を受けるというのは本当に心細いものでした。

t-shuppatsusiki 333.jpg釜山の病院で処方されたクスリ。
もらってすぐに「食前」「食後」と慌てて記入しましたが、
何が書いてあるのか全く分からず・・・


あと、皆さん、海外にお出かけになる時には必ず保険に加入しておきましょう。今回は偶然にも保険に入っていたおかげで、病院の手配から治療費の負担まで、全て保険会社がやってくれました。保険に入っていなかったら一体どれだけの治療費を請求されたのだろう??と考えると本当にゾッとします。


■輸出依存と格差の発生

さて、韓国のことです。

前回ご紹介した「オーディション社会 韓国」(著)佐藤大介 を読むまでもなく、韓国の競争の厳しさと一段と広がる所得格差は既に皆さんの耳にも届いていることでしょう。

これは1997年の通貨危機後、輸出をいかに増やすかということに経済政策の力点が置かれた結果、サムスンなど一部の輸出企業が国内賃金を抑え、定年前のリストラを敢行することによって極度の効率化を図ったから・・・などと言われていますが、いずれにせよGDPの50%近くを輸出で賄っている韓国では、その富の分配において随分と格差が発生しているようです。


■国内産の寡占化が進む韓国

そのような状況下にあって、ちょっと乱暴な言い方をさせていただきますが、韓国ではどうやら様々な分野において「寡占化」が進んでいるようです。

その一例として、インターネットの分野では、昨年末、Yahoo! KOREAの撤退が発表されました。

※参考記事:
本日で「ヤフーコリア」サービス完全終了 ネット上は惜しむ声(livedoorNEWS)


既に検索エンジン界では世界的にGoogleが圧倒的なシェアを誇っているため、Google対Yahoo!といった構図で見た場合には一見何の驚きもないわけですが、韓国の場合はちょっと事情が違います。

韓国で圧倒的なシェアを誇るのは、韓国のIT最大手NHN社が運営するNAVER。日本ではLINEの爆発的な普及で有名になった同社ですが、韓国の検索エンジンでは実に70%超のシェアで、Googleはわずか7%程度。

弊社のクライアントから「Googleアドワーズを韓国にも出稿しているのだけど、全くクリックされないのだが・・・」といった問合せをいただいたことがありますが、NAVERによる寡占化が進む韓国国内の検索エンジン市場を考えると理由は明らかです。

naver.png韓国で70%以上のシェアを誇る検索エンジン「NAVER」。インデックス登録審査が非常に厳しく、かつ複雑であるため、SEOに頼ったプロモーションを実施するよりはリスティング広告を利用した方が近道。


その他にも、Google以外の検索エンジンがシェアのTOPになっている国や地域はいくつかありますが、韓国での広告出稿に際しては、中国における百度同様、NAVERなくしてSEMプロモーションは成立しないと考えた方が良さそうです。

※このあたりのところは弊社が運営する海外向けインターネット広告サイト「海外リスティング.com」でも紹介されていますので、是非一度ご覧ください。
http://www.kaigai-listing.com/first/index.html
http://www.kaigai-listing.com/country/asia/South_Korea.html

検索エンジンだけでなく、韓国国内では自動車(現代とKIAの現代グループで国内シェアの75%)、スマートフォン(サムスンが実に70%。つい先日、モトローラの韓国撤退も発表された)、その他にスーパーマーケット、液晶テレビ等々でも、国内企業による寡占化が随分と顕著になっています。

そして、これは寡占化とはちょっと話がずれますが、メガネの形も、「これは寡占化じゃなかろうか!?」と思ってしまうぐらい、
韓流スターがけているような大ぶりのフレームが存分に幅を利かせています。

t-shuppatsusiki 283.jpgのサムネール画像釜山を走る地下鉄の車内にて。左から2番目の男の子のようなメガネのシェアが異常に高い!同様のフレームで度が入っていない伊達メガネをかけている男子もちらほら。

で、そんな中で当然大手企業組とそれ以外の人たちの間で格差が広がっているようなのですが・・・。

先にご紹介した
「オーディション社会 韓国」(著)佐藤大介には、そのあたりの韓国社会の光と影(どちらかというと影に力点がおかれています)が、様々な角度から描かれています。

年末に名古屋で痛飲した韓国在住8年の駐在員の友人は、「とはいえ、頑張り次第では何とかなれる社会。あながち悪くもない」と言っていましたが、つまるところこれが「オーディション社会」といったところでしょうか。「オーディション」に勝ち抜いた人々は富を手にし、敗者はヒエラルキーの底を彷徨う。

良くも悪くも競争社会の韓国です。ライバルとして、そして経済的にも文化的にも密接な関係を持つ隣国として、これだけ距離が近くても実に相違点の多い韓国の事情を、私たちはもっと理解する必要がありそうです。


例のごとく蛇足になりますが、韓国NAVERへの出稿をご検討されている方は、是非弊社まで。
ミルゲートコーポレートサイトまたは海外リスティング.comからお問合わせください。

プロフィール

  • 1970年名古屋市生まれ
  • 早稲田大学法学部卒業
  • 株式会社 岩手朝日テレビ
  • ヤフー株式会社 を経て
  • 2003年 有限会社エヌ・プランニング 設立
  • 2005年 株式会社ミルゲート 設立
  • 2012年 株式会社愛知アジア総合研究所 設立